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戦場の名言―指揮官たちの決断
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 70892 位
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本当に名言か
タイトルから想像するのは、戦場での指揮官の名言により士気が上がる、あるいは決断時の言葉から苦悩が周りに伝わるといったものだが、そういった名言ばかりではなく、選定基準が良く分からなかった。本当に名言なのか?と疑いたくなるようなものもあれば、牟田口のあきれた発言まで掲載している。4人の編者がいるようだが、指揮官不在でバラバラの感想は否めない。
訳知り顔・・・
歴史の評価は難しい。中でも人物評は評する人の主観も多分に入るため、特に難しい。本書は、各指揮官等の名言を集めたものであるが、その事実だけで十分であるのに、人物評まで記してある。取り上げた「名言?」の選定にも疑問があるが、人物評は不適切なものが多いように感じる。自衛隊の現職幹部等による執筆であるが、自衛隊において、戦史専門となってしまった人々は、例え指揮幕僚課程を卒業していたとしても、ドロップアウト組であり、組織では使えなかった人々である。そのような人々が訳知り顔で先人を評するのもどうであろうか・・・。自衛隊内部の事情を全く知らない人のレビューもあるようだが、本当に軍人の名言に触れたいのなら、本書はお勧めできない。
蛆虫になっても・・
戦場とは生死をかけた場所であり、ぎりぎりの極限状態でひとがどう行動し、ものを言ったかというのは個人的には非常に興味のあるテーマです。映画的にかっこいいことを言う、ということとは別に「名言」の中に、いかにそのひとの生き様・真実といったものが垣間見られるか、という視点で読んでみると、「愛」を言った安達中将、「殺人鬼」といわれた宮崎少将、部隊の面倒を良く見ることを統率の中心とした韓国・白大将、「沖縄県民カク戦ヘリ」の大田少将の言葉などがその行動とともに差し迫ったものを感じさせます。
こうして見ると、指揮官というものは日ごろからよく部下に気を遣い、その求心力を保ちながら、戦略眼を持ち、ここぞというときは、その信頼感をバックに部下を叱咤激励して組織の役割を積極的に果たそうとする人、ということが良く分かります。よく知られていませんが、旧日本軍の木庭少将、角田少将、木村少将、林大佐などがとり上げられている点が見逃せません。
台湾に行く途中、沖縄に立ち寄った襲撃機に乗っていた廣森中尉は、突然特攻を頼まれ即座に快諾します。数時間後の確実な死を躊躇なく受け入れた二十一歳の言葉は、生まれ変わって蛆虫になっても忠誠心だけは忘れないようにしよう、というものでした。できるものではない、そう簡単にできることではない、という思いを強くする一方、耐え難い、どうしようもないやるせなさを感じてしまいます。
草思社
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